Soichiro について

Information economist

アートと創造性(1)

アートと創造性に関する文献に関するメモ。

今回紹介する論文はこちら。

Botella, Marion, Vlad Glaveanu, Franck Zenasni, Martin Storme, Nils Myszkowski, Marion Wolff, and Todd Lubart. 2013. “How Artists Create: Creative Process and Multivariate Factors.” Learning and Individual Differences 26: 161-170.

・アーティストが創造活動において重要と思う要素を明らかにする研究。
・27人(回答23人)のアーティストへのアンケート調査、12人のアーティストへのインタビュー調査。
・分析は以下の3種類。
・セマンティック分析:Tropesというソフトを用いたインタビューデータのCognitive Discourse Analysis。主成分分析によって概念を整理。
・質的分析:インタビューデータをAtlas.tiソフトでチェック、複数の人で要約、照合。
・アンケート調査:重要だと思う要素について聞いた質問の平均値比較。クラスターに分けた平均値比較。

最も面白いのはインタビューの質的分析。アーティストの活動は6フェーズに分けられる。1)Vision, 2) Documentation and reflection, 3)first sketches, 4)testing the forms and ideas, 5)provisional objects (drafts), 6)series

その他、創造性への多変量的アプローチには、Cognitive(認知的)、Conative(意欲)、Emation(情緒)、Environmental(環境)の4つの要素がある。この4つの観点からアプローチして統合的に分析。

創造的プロセスには1) preparation(準備)、2) incubation(育てる)、3)illumination(Aha! Moment)、4) verification(検証)がある(Wallas, 1926)

「創造的な人物はその環境や特定の状況から切り離すことはできない。クリエイティブ・プロセスのモデル化には社会的、物質的世界を取り入れる必要がある」

 

 

 

 

東京大学アートセンターのフェロー就任

東京大学の芸術創造連携研究機構(通称『アートセンター』)のフェローを兼務することとなりました。

連携研究機構というのは、東京大学で学部・研究科横断で研究に取り組む組織形態です。芸術創造連携研究機構は「アートで知性を拡張し、社会の未来をひらく」ことを掲げています。

もともと芸術系大学ではない総合大学である東京大学から、アートを捉え、アートそのものと、それ以外のすべての学問に革新をもたらす野心的な取り組みです。

個人的には、アートに取り組むことを通じて、東京大学がイノベーションを生み出す東京の一大拠点になって行けばいいなと考えています。

(HPより)
『東京大学芸術創造連携研究機構は、あらゆる分野の研究者が連携し、芸術家との協働・連携をしながら知性と芸術を結びつけ、未来を切りひらいていくための研究を行っていきます。同時に教育として、芸術的な感性を培うことで多様な価値観や創造的な発想力を育むプログラムも展開していきます。』

「プラットフォームとしての都市」に関する研究の開始

東京大学大学院情報学環にて、標記の研究を開始しました。高木聡一郎が研究代表を務めています。

(以下、情報学環HPより)

〇概要
国立大学法人東京大学(所在地:東京都文京区、総長:五神真)大学院情報学環は、三菱地所株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:吉田淳一)と共同で、「プラットフォームとしての都市」に関する研究プロジェクトを2020年2月下旬より開始します。

都市の経営はこれまでにない環境変化への対応を迫られています。AIやIoTなどのデジタル技術の活用、知識経済化・イノベーション経済化に対応した創造の場の提供、生活の質(QOL)の確保などを、グローバルな地理経済的変動という文脈の中で検討していく必要があります。とりわけ、創造性やイノベーションのケイパビリティが重要性を増す中、人々の間での有効なインタラクションをどう生み出すか、また人材を惹きつけるために創造性や生産性を高める場と、豊かな生活環境をどう両立できるかが課題となっています。
人々の働き方に着目すると、終身雇用を前提とした企業労働者中心の時代から、兼業・副業、起業家、フリーランス、クラウドワーカーなど、個人に立脚して働く場面が増加しつつあります。こうした「個人化」が加速する社会においては、人々の間でいかに有効な「つながり」と「価値交換」を行えるかが重要ですが、こうした仲介の機能はいわゆるデジタル・プラットフォームによって担われる場面が多くなっています。経済活動における人々のつながりと価値交換の主たる場であった企業組織に対して、デジタル・プラットフォームが存在感を増す中で、人々が集い、価値を交換するリアルなプラットフォームである「都市」がどのような役割を果たすべきか、今後の都市のあり方を考えるうえで極めて重要な観点であると考えられます。
また、デジタル・プラットフォームは一般的に強力なネットワーク効果を持ちますが、都市には地理的・物理的制約があり、こうした無限のネットワーク効果を実現することは容易ではありません。物理的制約を所与とした「都市」の戦略を考えるためには、ネットワーク効果に特徴づけられる「デジタル空間」との関係をどのように位置づけるかを検討する必要があります。さらに、都市がデジタルでは充足できないニーズに応えつつ、従来とは異なる新たなプラットフォームとしてどう進化することができるか、そのデザインを明らかにすることが必要です。
そこで本研究では、デジタル技術の高度化、産業構造の個人化、創造性の重視などの環境変化に対応し、都市が新たなプラットフォームとしてどのような役割を果たすことができるか、そのグランドデザインを描き、具体的な施策を検討することを目的として開始します。特に、物理、組織、情報空間の各レイヤー間の相互作用に着目し、デジタル時代に適した都市のデザインと経営の戦略を明らかにします。

〇関連メンバー(五十音順)

印出井一美 千代田区役所 景観都市計画課長
越塚登 東京大学大学院情報学環 学環長・教授
酒井麻千子 東京大学大学院情報学環 准教授
櫻井 美穂子 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 准教授
重松 眞理子 三菱地所株式会社開発推進部 都市計画室長
庄司昌彦 武蔵大学社会学部 教授
高木聡一郎 東京大学大学院情報学環 准教授*
中尾彰宏 東京大学大学院情報学環 副学環長・教授
福地真美 東京大学大学院情報学環 准教授
吉村有司 東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授

*研究代表

〇本件に関するお問い合わせ先
東京大学大学院情報学環 高木聡一郎研究室 〒113-0033東京都文京区7-3-1
https://takagilab.wordpress.com/

アート思考によるイノベーション創出手法に関する研究プロジェクトを開始

東京大学大学院情報学環にて、標記のプロジェクトを開始しました。

高木聡一郎が研究代表を務めています。

(以下、情報学環HPより転載)

〇概要
国立大学法人東京大学(所在地:東京都文京区、総長:五神真)大学院情報学環は、株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:本間洋)の協力のもと、アート思考によるイノベーション創出手法に関する研究プロジェクトを2020年1月下旬より開始します。

我が国においては、人口減少、地域活性化、社会保障、インフラの老朽化、エネルギー問題など長年にわたる課題があり、これまでもこうした課題に対応した活動や施策が行われてきました。しかし、これらの課題は構造的なものであり、解決にあたっては人々の抜本的な行動変容を必要とするものも多く、漸進的なイノベーションでは本質的な課題解決に至らない場合があります。こうした社会的課題を解決するためには、新たな視点で問題を捉えなおし、これまでと異なるアプローチで解決策を提示することが求められています。

一方、アート(広義の芸術創作品)の制作過程においては、アジェンダセッティングから問題のフレーム設定、人々の感性や行動変容への働きかけなどが含まれています。こうしたアート制作のプロセスや考え方は、社会的課題の解決のためのイノベーション創出に適用できる可能性があります。そこで、本研究ではアートにおける制作過程に着目し、それらの本質を探索しつつ、社会課題を解決するための革新的なイノベーションを生み出す方法論を創出することを目的とするものです。

〇関連教員(五十音順)
岡田猛 東京大学大学院教育学研究科教授(芸術創造過程の解明と芸術表現支援)
筧康明 東京大学大学院情報学環准教授(インタラクティブテクノロジー、メディアアート)
高木紀久子 東京大学大学院総合文化研究科特任助教(芸術の創作過程)
高木聡一郎 東京大学大学院情報学環准教授(情報経済学・デジタル経済論)*
長谷川愛 東京大学大学院工学系研究科特任研究員(アーティスト、デザイナー)**
福地真美 東京大学大学院情報学環准教授(循環経済、サステナビリティ)
山内祐平 東京大学大学院情報学環教授(学習環境デザイン)**

*研究代表
**アドバイザー

〇本件に関するお問い合わせ先
東京大学大学院情報学環 高木聡一郎研究室 〒113-0033東京都文京区7-3-1
https://takagilab.wordpress.com/