デジタル通貨とソーシャルキャピタル

以下の短い論考を発表しました。

Soichiro Takagi (2017) “Social Capital and Blockchain-based Digital Currencies”, GLOCOM Discussion Paper Series No.8 (17-006). http://www.glocom.ac.jp/disccussionpaper/dp08.

(要旨)

ブロックチェーン技術は、権威的な組織によるガバナンスがなくとも、コミュニティを運営し、関係者の協力を生み出すことができる新たな手段を提供している。その一方で、ソーシャルキャピタルは以前からコミュニティが機能するために重要な役割を果たしてきた。本稿は、ブロックチェーン技術がソーシャルキャピタルにもたらす隠された影響を明らかにし、当該技術がいかにコミュニティの形成を促進することができるかを明らかにするものである。本稿ではブロックチェーン技術を用いたサービスがソーシャルキャピタルに与える影響を検討するためのフレームワークを提案し、地域通貨、個人によるトークン発行、そしてビットコインの分裂という3つのケースから検討する。これらの探索的検討から、ソーシャルキャピタルへの影響度はサービスの設計に依存し、その正の影響は、トークンがフィアットマネーに基づく資本形成からより分離され、またサービスが直接的な経済的メリットを主眼としていないほど高いことが示唆された。