これからのキャリア形成と大学院での学び直し

熊本県立大学の70周年記念講演会にお招きいただき、「これからのキャリア形成と大学院での学び直し」という講演をさせて頂きました。

変化の多い時代における学び直しの重要性、また大学院で学ぶことの意義や、効率的・効果的に修士号、博士号を取得するための方法論についてもお話しました。

後半は現役の学生さんたちを含めたパネルディスカッション。

大学院で学ぶことは、「勉強」ではなく「研究」であること、それは一人称で語れる人になることでもある。不透明な時代、未知の分野に取り組む力をつけるという意味でも大学院の学びの意義があるのかな、と私も色々と気付くことのできるイベントでした。

イベント情報
熊本県立大学【70周年記念】公開講演会「学部生・社会人のための 大学院のススメ」, 2017年6月10日. http://www.pu-kumamoto.ac.jp/event/detail.php?id=60.

地域活性化とブロックチェーン

昨年、会津若松市で行われたデジタル通貨「萌貨」の概要と結果が公開されました。

英語ですが、どうぞご覧ください。

Blockchain-Based Digital Currencies for Community Building

要旨

ブロックチェーン技術は、近年、組織や経済全体に対して幅広く影響を与える技術として注目を集めている。ブロックチェーン技術、あるいは分散型台帳技術(DLT)は、世界に分散する不特定多数の参加者により発行・維持されるビットコインや類似のデジタル通貨を実現するためのプラットフォーム技術として誕生した。ビットコインなど、民間分野におけるデジタル通貨が普及するにつれ、同様のデジタル通貨を、幅広い様々な文脈において活用することへの関心が高まっている。例えば、英国、スウェーデン、カンボジア、カナダなどの中央銀行においては、それぞれ独自のデジタル通貨を検討しているとされている。また、自動車や太陽光パネルなどを含め、IoTにおける決済へのデジタル通貨の試みもみられる。いくつかのスタートアップ企業では、資金調達手段としてデジタル通貨を活用している。多様な文脈と目的に対してデジタル通貨を発行することは、経済の機能に影響を与えることが考えられる。本稿では、地域活性化のためのデジタル通貨に関する概念的枠組みと技術実装について解説し、新規のマネーである「萌貨」の実証実験の結果を報告する。

Abstract

Blockchain has recently become the center of attention as a key technological tool to impact a broad range of organizations and affect the overall economy. Blockchain technology, also referred to as Distributed Ledger Technology (DLT), was initially created as the platform technology that enables Bitcoin that are issued and maintained by anonymous participants around the world. Reacting to the wider acceptance of digital currencies in the private sector, such as Bitcoin, there is a growing interest in the wider use of similar digital currencies in a different context. For example, central banks in countries such as the United Kingdom, Sweden, Cambodia, and Canada are reported to be considering their own digital currencies. There is also a trial to use digital currencies to enable payments for the Internet-of-Things, such as automobiles and solar cells. Some start-up companies use digital currencies to collect investments. Issuance of digital currencies for a variety of contexts and purposes could change how the economy works. This paper provides a conceptual framework and technological implementation of a digital currency for community vitalization and reports the results of a Proof-of-Concept using a new local currency, “Moeka.”

 

 

新連載「テクノロジーの経済学」

Biz/Zineにて、新しい連載「テクノロジーの経済学」を始めました。

テクノロジーと社会・経済の関係を幅広く考えていきます。

第1回:限界費用ゼロ社会で起こる、「経済主体の分散」と「富の集中」とは?

 

前書きより
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近年、テクノロジーの進化のスピードには目を見張るものがある。IoT、人工知能、ブロックチェーンと、新しい技術が次々と生まれてきた。一方で、最近のテクノロジーの進化は、社会的な変革や課題を伴うことにも特徴がある。クラウドソーシングやシェアリング・エコノミーの出現、仮想通貨の実現と普及、自律分散型組織、人工知能と雇用の問題など、社会的な制度、組織、概念などの組み替えが求められるようになっている。

このような現代のテクノロジーの進化を考える上では、テクノロジーと社会の相互作用という視点が不可欠である。テクノロジーは社会制度や人々の考え方に影響を与え、また社会からのニーズがあってはじめてイノベーションが実現する。本連載では、テクノロジーと社会・経済の相互作用という観点を土台としつつ、テクノロジーの進化が我々の社会にどのような変化をもたらしてきたのか、また社会はテクノロジーに影響を受けてどこへ向かっていくのか、考察していきたい。
第1回となる本稿では、イノベーションによって引き起こされる社会変革を考える上で、共通的に使える視点をいくつか提供することにする。

インタビュー記事の掲載

EnterprizeZine様に、インタビュー記事を掲載していただきました。

普段のブロックチェーンの話よりも、少し幅広い視点からお話させて頂いています。

よろしければご覧ください。

インタビュー掲載:「ブロックチェーンは独自通貨を持つ企業国家を生み出す? GLOCOMの専門家にインタビュー」, EnterprizeZine, 2017年5月31日公開, http://enterprisezine.jp/article/detail/9201.